犬・猫のプラセンタ療法
OCEAN'S PET CARE CENTERではこの度、わんちゃん・ねこちゃんの新しい治療の選択肢として「プラセンタ療法(プラセンタ注射・医療用サプリメント)」を導入いたしました。
- 肝臓の数値が下がらない
- 腎不全と診断された
- 高齢で元気がなくなってきた
- 猫ちゃんの口内炎が治らない など
こうした慢性的なお悩みに対し、体に負担の少ない治療法として、自然治癒力をサポートするプラセンタが注目されています。
プラセンタ療法は、動物が本来持つ力をサポートし、穏やかにQOL(生活の質)を向上させることを目指す治療です。
プラセンタ療法とは?
プラセンタ(Placenta)とは「胎盤」のことです。
胎盤には、胎児の発育に必要不可欠な栄養素(アミノ酸、ビタミン、ミネラル)や、細胞の増殖・再生を促す「成長因子(グロースファクター)」が豊富に含まれています。
これらの成分が複合的に働くことで、動物が本来持つ自己治癒能力や免疫力の調整をサポートし、体調を整えることを目的としています。
人間の医療現場だけではなく、獣医療においても、その優れた「抗炎症作用」「組織修復作用」「免疫調整作用」が、犬や猫の様々な疾患への補助治療として活用されています。
当院では、安全性と有効性が確認された動物用医薬品(JBP等の信頼できる製剤)を使用しています。
プラセンタは、このような症状・お悩みにおすすめです
※効果の発現には個体差があり、効果を保証するものではありません。科学的根拠がまだ限定的な領域も含まれるため、獣医師が慎重に適用を判断します。
肝臓疾患・胆泥症(たんでいしょう)のケア
プラセンタはもともと肝機能改善薬として開発された経緯があり、肝臓のケアは最も得意とする分野です。
- 健康診断で肝数値(ALT/GPT、ALPなど)が高い
- 肝炎・肝硬変の補助治療として
- 胆泥症(胆嚢に泥状の胆汁がたまる病気)の管理
- 投薬による肝臓への負担を軽減したい
猫ちゃんの腎不全・口内炎
特に猫ちゃんで多いお悩みに、プラセンタの抗炎症作用や血流改善作用が役立ちます。
- 慢性腎臓病(腎不全):腎臓の血流を良くし、残された腎機能の保護をサポートします。
- 難治性口内炎・歯肉炎:猫免疫不全ウイルス(FIV)や猫白血病ウイルス(FeLV)に伴う口内炎や歯肉炎の痛み・炎症の緩和に。
皮膚トラブル・アレルギー
皮膚のターンオーバーを促し、免疫バランスを整えることで、皮膚トラブルの症状緩和をサポートします。
- アトピー性皮膚炎
- 脱毛・フケ・毛艶が悪い
- 治りにくい皮膚病
シニア期のエイジングケア(アンチエイジング)
「病気ではないけれど、最近寝てばかりいる」という高齢のペットに。
- 食欲不振、元気消失
- 足腰の衰え
- 自律神経の調整
当院で選べる2つのプラセンタ治療
当院では、即効性を期待する「注射」と、ご自宅で継続できる「サプリメント」の両方をご用意しています。ペットちゃんの症状やライフスタイル、通院頻度に合わせて、獣医師が最適なプランをご提案します。
| 項目 | 注射 | サプリメント |
|---|---|---|
| 期待される効果 | 比較的、即効性が期待できる | 穏やか・持続的 |
| 管理 | 獣医師(院内処置) | 飼い主様(ご自宅) |
| 通院頻度 | 週1回〜月1回程度 | 定期的な診察は必要 |
| 主な目的 | 症状の緩和・集中的治療 | 健康維持・治療の補助 |
① プラセンタ注射(皮下注射)
有効成分を直接体内に投与するため、吸収が早く、即効性が期待できる方法です。
- メリット
- 吸収率が高く、効果を実感しやすい。
- 頻度
- 症状によりますが、最初は週1〜2回程度から始め、状態が安定すれば間隔を空けていくことが一般的です。
- 痛み
- 細い針を使用するため、痛みはほとんどありません。

② プラセンタサプリメント(内服)
ご自宅で毎日与えていただくことで、穏やかな効果を持続的に期待する方法です。
通院が難しい場合や、注射の効果を持続させるためのホームケアとして推奨しています。
- メリット
- 自宅で手軽に与えられる。美味しい味付けの製品もあり、病院嫌いな子にもおすすめです。
- 使用例
- 1日1~2回、いつものごはんに混ぜるなどして与えます。
注射と併用することで、より高い相乗効果が期待できます。
※製品の種類は、犬・猫の体重によって変動します。市販品にも様々なサプリメントがありますが、当院では獣医師がその品質、安全性、製造背景を厳しく確認した、信頼できる製品のみを処方しています。

プラセンタ療法の安全性と注意点
プラセンタは生物由来製剤であるため、ステロイドなどの薬剤に比べて副作用が極めて少ないのが特徴です。 ごく稀に、アレルギー反応(発疹や痒み)や、注射部位の一時的な硬結(しこり) 、サプリメントで軟便や下痢などが見られることがありますが、重篤な副作用の報告はほとんどありません。
肝臓や腎臓が悪く、強いお薬を使えない子でも安心して使用できる点が大きなメリットです。
ただし、以下に該当する場合は、プラセンタ療法を行えない、あるいは特に慎重な判断が必要となります。
- 過去にプラセンタ製剤でアレルギー反応を起こしたことがある子
- 悪性腫瘍(がん)と診断されている、またはその疑いが強い子(成長因子が腫瘍に影響を与える可能性が理論上懸念されるため)
- 妊娠・授乳中の子(安全性が確立されていないため)
【重要】
ご友人から勧められた、インターネットで見かけた等の理由で、飼い主様の自己判断でサプリメントを与えることは絶対におやめください。その子の病状や体質、服用中の他の薬との兼いによっては、かえって健康を損なうリスクがあります。プラセンタ製品の使用は、必ず動物病院で獣医師の診断と指導のもとで行ってください。
よくあるご質問
基本的には犬・猫への使用が主ですが、ウサギやフェレットなどに使用されるケースもあります。まずは診察にてご相談ください。
はい、ほとんどのお薬と併用可能です。むしろ、他の治療の効果を高めたり、薬の副作用(肝臓への負担など)を軽減する目的で併用されることが多いです。
それぞれに特徴がありますが、当院では獣医学的な見地から、安全性と効果のバランスが優れた製剤を採用しています。詳細な成分については診察時にご説明いたします。
個体差が大きく一概には言えませんが、注射の場合は数回の投与で、サプリメントの場合は1ヶ月程度の継続で、毛艶が良くなった、元気が出てきた、といった変化が見られることがあります。中には、あまり変化が見られない子もいます。
細い針を使用するため、痛みはほとんどありません。一瞬ですので、我慢できる子が多いですが、怖がりな子の場合は、無理強いせずサプリメントでの対応を検討します。
ご加入のペット保険の契約内容によります。「代替療法」や「サプリメント」が補償対象外となっている場合もございますので、事前に保険会社へご確認いただくことをお勧めします。
犬猫のプラセンタ療法なら、お気軽にご相談ください
プラセンタ療法は、劇的に病気を治す「特効薬」ではありませんが、体が本来持っている治す力(自然治癒力)を底上げし、生活の質(QOL)を高めてくれる優しい治療法です。
「今の治療にプラスして何かしてあげたい」「少しでも長く、元気に過ごしてほしい」
そうお考えの飼い主様は、ぜひ一度OCEAN'S PET CARE CENTERまでご相談ください。