SFTS感染猫を治療した獣医師が死亡|ペットと人の感染対策について
2025年6月、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)に感染した猫を治療していた獣医師が死亡したとの報道がありました。
この症例では、獣医師にマダニに咬まれた痕跡がなかったことから、猫から人への感染(動物由来感染)が強く疑われています。
SFTSは、マダニが媒介するウイルス感染症で、犬・猫・人すべてに感染リスクがある人獣共通感染症です。また、近年ではヒトヒト感染(人から人へ感染)の可能性も指摘されています。
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)とは?
主な症状 | 発熱・食欲低下・嘔吐・下痢・腹痛・筋肉痛・神経症状・リンパ節腫脹・出血症状・白血球減少・血小板減少・肝酵素上昇などの症状を示します。 |
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感染経路 | 主にマダニに咬まれることによる感染。動物との接触を通じた人への感染、およびヒトヒト感染(体液などを介する)の事例も報告されています。 |
潜伏期間 | 通常6〜14日とされ、感染初期は風邪のような症状で見逃されやすいことがあります。 |
致死率 | 人の致死率は6.3〜30%とされておりますが、ネコの致死率64.7%・イヌでは26%と非常に高いとされています。 |
治療方法 | 現時点で確立された特効薬はなく、対症療法が中心となります。 |
マダニ予防が重要です
マダニは気温が15℃以上になる時期に特に活発に動きますが、年間を通じて活動している寄生虫です。
当院では、犬猫に対して通年でのノミ・マダニ予防を推奨しております。
とくに、散歩や屋外に出る機会のあるペットには、月1回の予防薬による継続的な対策が重要です。
当院をご利用の皆さまへお願い
当院では、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)をはじめとする感染症の予防対策として、すべてのワンちゃん・ネコちゃんに対し、ノミ・マダニ予防の実施を強く推奨しています。
これは、院内での感染拡大や、他の動物・スタッフへの影響を防ぐための大切な取り組みです。
ご来院の際は、できる限りノミ・マダニ予防を済ませたうえでお越しくださいますようお願いいたします。
まだ予防が済んでいない方や、ご不明な点がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。